肌感覚
春休み、退屈にしている息子のリクエストで近くのラーメン屋に行きました。
このお昼の営業で8杯以上のラーメンが出ていれば黒字だろう。お客の頭を数えると12だ。
大丈夫そうだ、そんな事を考えてしまう。
自分が商売をしているせいか無意識のうちに観察する、決まった公式とかはない。
それは現場によって条件が異なるからだ。一つの要素のプラス面、マイナス面、各要素の積み上げによって、何杯出ていれば大丈夫そうだと結論をつけていくのが楽しい。
ラーメンの到着の10分ほどで組み立てていく、もちろん、この10分も要素の一つだ、それは回転率に影響するからだ。
そうこう考えていると「こうしたら」とか「ああしたら」とか改善点を見つける事もある。
例えば、他の客のメニューを観察すると、誰も頼んでいない非稼働のメニューがある事に気づく、提供するために手間とコストをかけているはずだ。
飲食店のメニューは営業年数が長くなるのと比例して増加していくという、お客の要望に応じて増やす傾向にある。意見の母数に注意する必要がある100人中50人が「唐揚げが欲しい」であれば追加したらよいが、毎日来る1人の客が要望する場合は加える必要はないだろう。
おそらくどこでも、80%の売上は20%のメニューが支えている。パレートの法則だ。なぜそうなるかの研究は少ないようだが、常にメニューを見直し、理論を味方に付けるのがよさそうだ。あれこれ新たな手法を試みるより、先人研究者が人生をかけて研究した物をとりあえずやってみる。「いいとこどり」それで良い。
国産の量子コンピュータが稼働した、スーパーコンピューターが1万年かかる計算を3分20秒でやってしまうという。従来コンピューターの苦手分野の「最適化」「効率化」が得意らしい。運送会社の配送ルートの効率化に期待されている。
これからは、スマホで動画を撮影する感覚で物体を自動は判別しプラス、マイナス要素を判定し改善点を提案してくれるスタートアップ企業が出てくるだろう。
これに近い企業がAIドライブレコーダー米国のナウト、最近日本にも進出し始めた。
1件の事故の背景には329件の軽微な事故がある「ハインリッヒの法則」1件を予防するために329件をAIで診断するスタートアップ企業だ。
飲食店に例えると潜在的機会損失は店主よりも外部の人間が気が付く事が多いように思う、固定概念がないクリアな色眼鏡で見ている事もあるだろう。長年続けていると知らず間にメガネに色が付いてくる、そのように思う。
うまく行かない時、他人の意見を聞くのもいいのかもしれない。
今回感じたのは、ラーメン屋というのは高単価と付加価値を求めていく性質の食べ物ではない、千円を超えた当たりからラーメン以外の食種に選択肢が増えてしまうからだ。
一定の味や経営が回るようになってきたら席数など規模を縮小していく方が利益が出やすいのかもしれない。客を待たすぐらいでちょうどよい。そんな気がする。