市場の体温

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ここ最近日経平均が上昇している。

 

ニュースなどで「今日の日経平均株価は...」と耳にする。ザイオンス効果で何度も繰り返される上昇ワードは好感と感じてしまう。

 

市場の体温測定で日経平均を使うのはややムリがあるようで、一部銘柄への偏りや市場カバー率70%に留まる点たろう。

 

NHKや民放各社は必ず「日経平均は...」と口を揃える。英BBCまでも同じだ。驚くのは経済専門のWBS日経CNBCまでもが同じという事だろう。CNBCは日本経済新聞社なので無理もない。

 

世界の株価指数を見ると自国の算出会社を優遇する傾向があるようだ。市場の評価基準を他国の会社が算出しているとは感じが悪いではないか。

 

NYダウ平均(ダウ・ジョーンズ社 米国)

S&P500(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社 米国)

日経平均日本経済新聞社 日本)

TOPI(日本取引所グループ 日本)

FTSE100(ロンドン証券取引所グループ 英国)

DAX(フランクフルト証券取引所 ドイツ)

 

ではここ最近の株価上昇は、何と比較すれば良いだろうか。おそらく全世界でインデックス指数を算出しているMSCIが中立かつ公平なのではないかと思う。インデックスの採用基準が全世界で、ほぼほぼ同じで時価総額の85%まで広がるのが良い。

 

MSCI Japan Indexと日経平均を比較するとやや過熱ぶりが分かる。

 

株価収益率

日経平均 14.49倍

MSCI Japan Index 14.16倍

 

現在の株価は5年前にやっと戻ったということだろう。

 

東証には数多くのETFが上場しているがMSCI Japan Indexに連動するものは上場していない。投資家の需要が少ない事を映している。日本銀行も株式を買い入れる時には日本の指数算出会社の日経平均やTOPIXをメインに買い進めている。iシェアーズ MSCI ジャパン ETF(EWJ)という米国ETFはあるがドルで買う必要がある。円で活動する企業をドルなどでは買えないだろう。

 

日本市場のガラパゴスとも言える状況は、例えると医者が治療計画を立てる時に血液検査などはナチュラルなデータを求めるだろう。それは表面的に良いデータからは最良の治療計画は立てられない。という事に似ている気がする。

 

ただ、それが悪い事だとは感じていない。日本市場とはその様な特徴であることを自分が認識していれば良いと感じている。MSCIを基準にして他をスルーできる度胸を持ち続けたい。