花見・iPhone・ヒット商品・バフェット

伊勢神宮に花見に行ってきました。

おかげ横丁はものすごい人で活気に溢れていました。最近の流行りでスマートフォンを肩や首からぶら下げているのを多く見かけます。そしてiPhoneが多い事に気づきました。

調べてみると
iPhoneシェア〉
日本 50%
全世界30%

国別のiPhoneシェアは日本がトップらしく、これは日本特有の同調文化がシェアを押し上げているのだと思います。

若者に人気のiPhoneですが、ある調査によると所有する最大の理由は「みんながiPhoneを持っているから」だそうです。

確かにOSとハードの総合評価はiPhoneが優位だと感じています。私もそれを気に入ってiPhoneにしているのですが、個々のスペックに注目するとカメラやバッテリー、CPUそして価格などピンポイントで見ていくと様々なメーカーが参入しているAndroidスマホの方が競争原理が働いて高機能やコストパフォーマンスが良かったりもしているのも事実です。

みんながiPhoneを持っている現象と重なったのが、ニューヨーク5番街、1900年初頭と2022年の風景です。


1900年初頭は誰もがT型フォードを買い、2022年では様々な車種やメーカーがいるのが分かります。

そして

iPhoneとT型フォード、販売開始時期をゼロとして比較すると約19年でT型フォードは終焉を迎えています。

ヘンリーフォードは農民が乗れる安価な自動車をつくるのが夢で大量生産でコストを下げ、誰もが手に入れられる価格を実現しました。

ところが、購入できる所得層に自動車が行き渡り買い替え需要へと移行し、顧客は価格よりもデザインや機能といったモデルを好むように変化していきました。

日本ではスマートフォンの普及率が90%を超え、とりあえずiPhoneから、私はカメラ、僕はCPUなど「自分らしさ」に消費が変化する気もします。

そのような時代背景を象徴する映画が公開されました。

上映中の映画ドラえもんのび太と空のユートピア
doraeiga.com


サブタイトルは

ぼくらの「らしさ」が世界を救う

この映画では個性のない平和な理想郷(ユートピア)で暮らす人々に違和感を覚え、改めて自分の個性について考え直す内容となっています。

どうしてもアップルとフォードが重なります。

T型フォードは19年で役目を終え、iPhoneも発売から16年が経過しています。スマートフォン自体は世界人口の増加に比例してヒット継続中ですが必ず終焉を迎える時がくるのは確実です。それに代わる物は何かは分かりませんが、スマホは16年前には無かったというのも事実です。

アップルの大株主のバークシャー・ハサウェイは長期保有で有名な一方、社会変化に敏感な投資会社です。記憶に残っているのがアメリカでコロナ第1感染者が出たのは2020年1月でした。5月の年次株主総会でバフェットはエアライン4社(デルタ航空アメリカン航空サウスウエスト航空ユナイテッド航空)の全株式を売却していた事を報告しています。その決断の速さと実行力には驚きました。当時の時点において旅客事業は数年にわたり休止すると分析し、実際そうなりました。

ということは、手を引くのが早いバークシャー・ハサウェイがアップルに投資し、買い増しているのは、もうしばらくiPhone優位と考えているのでしょう。おそらく予測している点としては

1.スマホに代わる新たな物
2.世界人口の増加と新興国スマホ普及率

世界人口推計では2086年に104億人がピークでゆるやかに減少していくと予想しています。

スマホに代わるイノベーションが起きない場合、今後64年間は何らかのスマホが売れ続けると私は考えます。イノベーションは加速度的に速く、昨日まで無かった物が今日あるという時代になってきました。アップルのような巨大企業であってもフォードのように終焉を迎える時期がくるでしょう。悪い事ではなくより良い世界へ新陳代謝が行われると思えば繁栄を極めた企業は役目を終え、次の企業へバトンを渡す。ポジティブに受け止める必要がありそうです。

お花見から、ここまで話が膨らんでしまいました。最近、思考を整理するのには文章にするのが良いと気が付きました。日常で一瞬過ぎ去る思考を書き留めると意外と覚えているものです。スラスラとは書けません、時間も労力も必要です。ただ、書き終わったらスッキリするのも事実です。楽しみながら頭の洞察力を高めていきたいと考えています。