に連動するETF、結局ここに落ち着いた。たぶん20年くらいかかった。
地球を眺めると、世界時価総額の40%が米国に集中し、まさに1強となっている。投資信託の販売ランキングもおのずと米国に準じるS&P500やVTI(Vanguard Total Stock Market Index)が名を連ねている。投資信託を通じて世界の資金を吸い上げているようだ。
私もイケイケの米国に連動するS&P500に長い事投資をしている。だが違和感を感じるようになってきた。それは最近読む本が変わってきたのも影響しているのだろう。
最近では古い本「狂気とバブル 1814年」「証券分析1934年」「賢明なる投資家1949年」を読んでいる。どれも真新しさはないが、投資の原理原則や時代を超えて繰り返す誤りなどが読み取れる。
異なる視点
CEOが想定するライバルとは同業他社が多い。同じような製品の品質や性能、価格などを競争している。CEOの役割は狭い業界内で優位に立ち続けることを目的としている。自らの業界の収益性が全業界と相対的に比較する事はしないだろう。社長業とはそんなもんだ。
投資家の視点はやや異なる。
ネスレの時価総額がP&Gを上回ろうとしてる。いずれも一般消費財を生産する企業だ。株価収益率はP&G,21倍、ネスレ,18倍とネスレの方が割安だ。投資家から見た優位性はシャンプーではなくチョコレートと言う事になる。
ここで問題になるのはネスレはスイス企業、P&Gは米国企業、日本からスイス証券取引所に上場するネスレを買えない。ネスレの場合は米国企業ではないためS&P500、VTIにも組み入れられない。
ACWIは全世界の約2,500社が時価総額加重平均で組み込まれている。上位企業の顔ぶれは変わらないものの中盤以下の入れ替わりは激しい。その勢いは米国企業をも浸食する勢いがある若い企業も多い。つまり次の世界を牽引する企業の卵なのだろう。
成長著しい企業には「30」「70」という法則があるそうで、平均年齢30歳以下、本業の営業利益70%以上、時代に合わせた若い考え方から得られるアイデアを本業で稼ぐというものだそうだ。今を牽引する企業も誰もが年をとる。この物理的法則には抗えず交代を余儀なくされる。
変わる世界の勢力図
およそ100年毎に変わる世界の勢力図、生きている間は米国だろうが、たまたまページをまたぐかもしれない。心に引っ掛かりを残すぐらいならACWIで全世界に分散した方がよいとも考える。
16世紀 スペイン(黄金期)
17世紀 オランダ(東インド会社)
18世紀 フランス(重商業)
19世紀 イギリス(産業革命)
21世紀 ???
これが私の最終系の投資法なのだろうか。自問しながらしばらく行きたい。