講習会と語り部

先日、DX(デジタルトランスフォーメーション)の講習会に参加した。

 

私は参加する前に必ず調べる事がある。

 

それは、「前で話す方の収入が何か?」

 

戦争の語り部の話を聞いた事があるだろうか、実際に体験した人が直接語るものだ、目と目で語り、話しの中に吸い込まれてしまう。主語、述語、接続語などがメチャクチャでも全然気にならない。それは本人が体験した一時情報を語っているからだ。

 

話はもどり、

 

先日のDX講習会の主催者の収入は三重県の税金であった、つまりコンサル事業である。

 

この時点で「話半分でいいわ」と思いながら参加した。

 

案の定、

・前編はデジタル化が進んでいるという統計資料

・中編は中小企業の低い普及率の統計資料

・後編は大企業の事例集

・最後にDXを進めて生産性を上げよう

 

見て分かるように自らは何もやっていない、そこらの資料を集めてさも先陣を切っているかのような内容だ。

 

質疑応答で何でもいいと言うので「御社の主たる収益は各種の助成金(税金)です。その仕事を獲得する為にどのようなDXを進めていますか?」

 

会場が凍り付いた。数秒の沈黙の後、大企業の事例集に話がすり替わりごまかしたようだ。

 

前に立つ人は「語り部」つまり実際に経験した者が良いという話、だが実際に苦労した人は成功している。講演会に立って少しばかりの講演料をもらうぐらいなら自らの仕事に集中する方が利益は大きいだろう。

 

講習会市場とは需給バランスが崩れているようだ、時にはサルにアドバイスを求めているようにも見える。