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今年は思うように売上が伸びなかった。

残念に思う反面、来年の税負担は少なくなりそうだ。そう考えると少しは気が楽になる。

 

ECショップを始めて10年が経ち、改めて物を売るのは難しいと感じた年でもあった。個人事業主の10年生存率は10%、裏を返せば90%が廃業してる状況でよくここまで頑張ったと思う。毎日なにかを意思決定をし、トライアンドエラーを繰り返している。最近の思考は、赤福の社長ならどう判断するだろう?赤福でなくても長寿企業の社長なら、という意味だ。

 

最近も、メーカーから安くするので全量引き取ってほしいと提案があったが断った。安い分、目先の利益は確実に上がるが、そんなオイシイ話が年中あるわけではない。それより経営の骨格ともいえるマーケットイン、顧客が必要とするモノへの分析精度を高める方が重要だ。ただの利益より、分析に裏打ちされた利益の方が重要だと感じるようになった。

 

とある飲食店のSNSを見た。積極的に情報発信してるお店だった。だがフォロワーを見ると同業が多い、半分ぐらいだろうか。つまり同業他社に手の内を見せている。集客は重要だがわざわざライバルに見せる事はないだろう。これがSNSを活用する難しさだろうと思う。

 

その事に早めに気づいた私はお店に関しては一切情報発信はしていない。SNS全盛期にあって時代に逆行するかのように感じる。だがSNSで認知され、売り買いされる物はそう多くないと感じている。おそらくGDP比だと微々たる物だろう。

 

今の集客手法は一言でいうと「結局ここに行き着きました」、誰でも経験があるかと思うが、ガソリンはこの店、お米はこの店、洗剤は...などと比較検討した結果、その店に行き着く商品があるはずだ。

 

お客さんが自ら探して買ってくれるのだから集客は不要だしSNSで露出する必要もない。そのような商品を見つけ出すには思考回路が逆になる。日本の教育では「この式を解きなさい」と出題されるが、100になる計算式を組み立てる。簡単じゃないかと思うが、天候、温度、流行り、取引先などの要素を式の途中に組み込み複雑な計算式になる。

 

企業が戦略を導入すると90%失敗に終わる。理由は一つの要素のみ注力し他の要素に注意を払わないのが原因らしい、マッキンゼーの7sから見えてくるのは場当たり的な戦略ではなく関連する要素に注意を払う事が重要だという事だろう。一つの判断は相互に関連している。その事を考えながら課題を解決するのが最近のやり方だ。

 

 

https://tompeters.com/docs/Structure_Is_Not_Organization.pdf